FP2級は独学でも合格は可能ですが、これまでの実務や勉強経験によって、難易度は大きく変わってきます。
また、試験試験も広く勉強の計画性も求められます。
したがって、これまでの勉強の習慣度合も試される試験でもあるため、
- 勉強継続に自信がない
- 一発合格を真剣に目指す
- 忙しくて時間が中々作れない
このような方は、通信講座を利用した方が、お金と時間におけるコスパは高いです。
この記事でわかること
FP2級の独学・通信講座を検討する際の注意点
独学のメリット・デメリット
通信講座のメリット・デメリット
独学が向いている人の特徴
通信講座が向いている人の特徴
FP試験は1級まで合格しており、試験内容や注意点は把握しています。
これまでに10名以上のFP2級不合格者を合格へと導いており、FP試験の注意点も把握しています。
こんな人におすすめ
FP2級を独学か通信講座かで迷っている
独学・通信講座の特徴を知りたい
この記事を読めば、独学か通信講座を選ぶ判断基準が身に着きますよ。
FP2級を勉強する際の注意点
FP2級を独学か通信講座か検討する前に、知っておくべきことをお伝えします。
ここで紹介する注意点や特徴を知らないと、後で後悔する可能性があります。
FP2級は受験資格がある
FP2級は簿記や宅建士と違い、受験資格が設けられています。
具体的には下記3つのうち、どれかに該当している必要があります。
- FP3級に合格している
- FP業務に関し2年以上の実務経験を有している
- 厚生労働省認定金融渉外技能審査3級に合格している
- 日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了した者
有名どころだと、ECC、フォーサイト、ユーキャン、TAC、資格の大原の講座はAFP認定研修対象です。
FP2級(AFP)の合格率と受験料
独学が通じるかどうかの判断基準の1つが合格率です。
金融財政事情研究会(きんざい)と日本FP協会の学科の合格率は以下の通り。
上記の合格率は違えど、どちらもFP2級の学科の試験で、試験内容も変わりません。

また、AFP認定研修は通信講座や通学講座のセットとなっているため、FP協会の受験者は通信・通学講座の受講者が主体となるからだよ。

続いて実技試験の合格率は以下の通り。
実技試験は学科と違い、試験内容は異なるため参考程度の資料となります。
通信講座の場合、FP協会の実技対策を主体として講義やカリキュラムが組まれています。
対して、市販教材は金融財政事情研究会(きんざい)の実技試験を記載していることが多いです。
そのため、独学組はきんざいの実技、通信講座組はFP協会の実技を受験する傾向にあります。
受験料は学科が4,200円、実技が4,500円と結構高い。
そのため、独学で何度も落ちると、試験に伴う費用は高くなっていきます。
後述しますが、FP試験は毎年、法改正に伴い試験内容の一部が変わるため、試験勉強が長引くと、教材を買い替える必要が出てきます。
FP2級の試験月と法令基準月
試験は年3回(5月・9月・1月)に対し、法令基準月は2パターン(4月・10月)
試験月 | 法令基準日 |
---|---|
2020年9月 | 2020年4月1日 |
2020年5月 | 2019年10月1日 |
2020年9月 | 2020年4月1日 |
2021年1月 | 2020年10月1日 |
注意すべき点は、独学受験で9月にFP2級を受験する場合です。
FP2級の市販教材の最新版は、例年6月~7月に発売されるため、9月試験の場合、新教材での勉強期間は短いです。
また1月受験の場合、10月の法改正に教材が対応していないので、自身で情報収集する必要があります。
ただし、法改正の問題に対応できなくても、しっかり勉強すれば合格ラインは十分に狙える試験なので、あまり不安にならなくて大丈夫です。
また通信講座であれば、法改正に対応してくれるため、特に心配いりません。
FP2級通信講座で話題の教育訓練給付金について
「教育訓練給付金制度」は、働く方の主体的な能力開発の取組み又は中長期的なキャリア形成を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とし、教育訓練受講に支払った費用の一部が支給されるものです。
厚生労働省HPより引用
難しい話は置いておいて、一定の要件を満たす受講者が「教育訓練給付金制度」に認定されている講座を選択して修了すれば、試験の合否に関わらず受講料の20%が還付されます。
そのため、60,000円の講座においても「教育訓練給付金制度」に認定されていれば、実質48,000円で受講できることになります。
気になる!
一般教育訓練給付金の支給対象者は以下の通り。
- 受講開始日現在で雇用保険の支給要件期間が3年以上(初めて支給を受けようとする方については、当分の間、1年以上)あること。
- 受講開始日時点で被保険者でない方は、被保険者資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内(適用対象期間の延長が行われた場合は最大20年以内)であること。
- 前回の教育訓練給付金受給から、今回受講開始日前までに3年以上経過していること。
FP2級通信講座のサービス提供は完全ではない
- 動画サービス
- 質問サービス
- eラーニング
- 紙ベースのテキスト
これらは通信講座の代表的なサービスですが、eラーニングがなかったり、質問サービスが制限回数ありだったりと、通信講座によってはサービスが不足していることがあります。
また、一概に動画サービスと言っても、20時間以内の講座もあれば、50時間以上の講座もあります。
そのため、通信講座を検討する際は、対象の講座が自分の望みのサービスを十分に提供しているか、必ず確認をしましょう。
スマホを活用したスキマ時間主体の勉強を行いたいから通信講座を選んだのに、
- サービスの大半がスマホ未対応だった
- まとまった時間を確保することを前提とした講座だった
このように、自身の需要を満たしていない講座を選択する失敗は避けましょう。
では、ここからは本記事の本題に入ります。
FP2級独学のメリット・デメリット
独学のメリットとして真っ先に思いつくのは、費用があまりかからないことです。
しかしながら、デメリットも理解しておかないと、何度も不合格に!
そして、度重なる受験料や教材の買換えにより、結果として通信講座より高くつく可能性があります。
FP2級独学のメリット
独学のメリットは2つ。
- 費用が安く済む
- 自分に合った教材を選択できる
①費用が安く済む
独学の1番の魅力はやはり費用面。
実際に、FP2級市販教材の中で人気の「みんなが欲しかったシリーズ」のテキストと問題集を購入しても、2冊で僅か4,000円程。
試験料は学科4,200円、実技4,500円なので、受験料+教材費でも15,000円の予算に収まります。
②自分に合った教材を選択できる
通信講座や通学においては、提供された教材に自分が合わせる必要がありますが、独学は選択の自由があります。
そして、本屋に行けば気づきますが、FP2級の教材は簿記2級や宅建士と同様に、非常に市販教材が充実しています。
そのため、自分に合った教材を選択すれば、勉強の効果は飛躍的に上がります。

教材がたくさんあって、何を買えばいいか分からない人は、こちらの記事を参照してください。
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FP2級独学のデメリット
FP2級における独学のデメリットは4つ。
- 挫折しやすい
- 時間がかかる
- 間違ったまま突き進む可能性がある
- 法改正情報を自分で収集する必要がある
①挫折しやすい
FP2級は範囲が非常に広く、更に6つの分野に特化しているため、未経験の分野が多いと、基礎概念を身に着けるのも一苦労します。
また、金融デリバティブや不動産買換えなど、自身で理解するのが難しい項目も含まれているため、
- 先が全然見えてこなくて嫌気がさす
- 分からない問題が蓄積されて嫌気がさす
このようなリスクがあります。
- 実務経験が少ない
- 勉強の習慣がない
このような方は注意しましょう。
②時間がかかる
市販教材の場合、重要事項が分かりにくいことから、時に回り道(出題率が低い内容に注力)してしまうこともあります。
また、インプット教材はテキストだけのため、理解に時間がかかることも多々あります。
また、アウトプットにおいても難問にぶつかった時、自力で解決することが前提となるため、解決に時間を要してしまいます。
③間違ったまま突き進む可能性がある
市販教材の場合、テキストに記載してある内容を、自分なりに理解して進めていくことになります。
しかし、実は「自分なり」というのが厄介で、時に間違えて解釈してしまったり、細かい内容について間違えたまま記憶してしまうことがあります。
ただし、大半は問題集を反復していく中で、間違いに気付き修正できるのですが、一部はすり抜けてしまうこともあります。
④法改正情報を自分で収集する必要がある
地味に大変なのが④です。
FP試験の法令基準日は年2回(4月1日と10月1日)あるのですが、4月は特に変動があります。
特にFPは6分野あるので、全ての項目に対して情報収集は大変です。

ただし4月と1月を除けば、大きな変更は少ないので、最新の市販教材(4月変更対応済)を利用していれば、そこまで不安にならなくて大丈夫です。
6~7月に販売される市販教材は、4月の法改正に対応しているので、9月受験(法令基準日4月)の場合、自分で情報収集する手間はなくなるよ。
FP2級を独学勉強が向いている人
独学が向いている人の特徴
お金をかけたくない
時間に余裕がある
計画を練って勉強ができる
難しい内容も自力で理解していく覚悟がある
独学で勉強する際は、こちらの記事を参照してください。
FP2級って難易度高いって聞くけど、独学でも一発合格できるの? 会社からのプレッシャーもあるし、受験料も高いから、おすすめの勉強法があれば教えてほしい! […]
FP2級通信講座のメリット・デメリット
通学と独学の間となる通信講座。
FP2級を通信講座で勉強される方は多く、通信講座も幅広く展開されています。
通信講座はお金はかかりますが、費用や時間に対するコスパは高いのでおすすめです。
FP2級通信講座のメリット
通信講座の共通メリットは3つ。
- 効率良く勉強できる
- 勉強計画が定まっている
- 法改正の情報収集が容易
一部の通信講座に該当するメリットは3つ。
- スキマ時間でも勉強が容易に行える
- 教材が充実している
- いきなりFP2級を受験できる
通信講座によって提供するサービスの差があるため、メリットを共通と一部に分離しました。
共通メリット①効率良く勉強できる
通信講座の運営会社は、FP試験の出題傾向や受験者が苦手とするポイントを把握しています。
また、これらポイントと併せて、受験テクニックも学ぶことができるため、独学と比較して少ない時間で、より高い効果が期待できます。

共通メリット②学習方針が定まっている
通信講座では、受験のプロが教材や講座に携わっているため、合格するための道筋がしっかりしています。
そのため、寄り道するリスクが少なくなるだけでなく、勉強スケジュールも可視化できるため、計画倒れのリスクは減らせます。
共通メリット③法改正の情報収集が容易
通信講座では法改正にも対応しているため、調べる手間を省くことができます。
法改正の内容は一部を除き、時間に対する効果は低いため、簡潔に済ませるに越したことはありません。
個別メリット①スキマ時間でも勉強が容易に行える
eラーニングが充実している通信講座を選択すれば、通勤時間やちょっとした待ち時間でも、スマホで勉強できます。
1日においてスキマ時間は意外にも多く、スキマ時間の勉強も積み上がれば効果は期待できます。
また、スマホ1つでインプットもアウトプットも取り組めるため、まとまった時間を確保できない人には、強い助っ人となります。
個別メリット②教材が充実している。
独学ではインプット教材はテキストが主体ですが、通信講座ではテキストに加え、動画という強力なメディアがあります。
動画は情報量も多く、活字や図解では難しく感じる内容も、分かりやすく提供してくれます。
また、問題集においてもインプットと連動しているため、勉強も捗る仕様になっています。

個別メリット③いきなりFP2級を受験をできる
前述した通り、FP2級は簿記や宅建と違い受験資格があるため、人によってはFP2級をいきなり受験できない場合があります。
しかしながら、AFP認定講座に指定されている通信講座を選択すれば、いきなりFP2級を受験することも可能です。
したがって、受験無資格者が最短でFP2級を取得しようとした場合、AFP認定講座に指定されている通信講座を検討すべきです。
また、多くのFP2級通信講座では、FP3級未受験者を前提としているため、FPの勉強が初めてという方でも心配不要です。
FP2級通信講座のデメリット
FP2級通信講座のデメリットは2つ
- お金はかかる
- 一定数は挫折する
①お金はかかる
独学ならば教材だけで1万円を下回りますが、通信講座ではメリットが大きい分、どうしても費用は発生してしまいます。
具体的には、手軽さで人気上昇のスタディング講座においても、税込み30,778円。
合格奨励金5,000円を加味しても26,000円程。
ECC、フォーサイト、ユーキャンの講座は5万円超となり、これらの講座は教育訓練給付金の対象で、要件を満たせば20%割引となるも、独学と比較したら費用が高いのは一目瞭然です。
ただし、単にお金だけで比較するのでなく、勉強時間が短縮できることも視野に入れましょう。

②一定数は挫折する
通信講座は学習方針がしっかりしており、合格までの道筋も明確です。
しかし、通学講座と比べると強制力は低いため、やはり一定数は挫折してしまいます。
具体的には、受験率(受験者数/応募者数)が高いと言われるECCの講座においても受験率80%程です。
そのため、通信講座を選択しても気を緩めてしまうのは厳禁です。
FP2級を通信講座が向いている人
通信講座が向いている人の特徴
勉強時間を短縮したい
スマホ学習も積極的に取り入れたい
FP3級を飛ばして、いきなりFP2級に挑戦したい
自分で学習計画を立てるのが苦手
通信講座を選ぶ際は、こちらの記事も参照してください。
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FP2級の独学・通信講座メリット・デメリットまとめ
本記事では、FP2級の独学と通信講座のメリット・デメリットについてお伝えしました。
FP2級独学のメリット
費用が安く済む
自分に合った教材を選択できる
FP2級独学のデメリット
挫折しやすい
時間がかかる
間違ったまま突き進む可能性がある
法改正情報を自分で収集する必要がある
FP2級通信講座のメリット
効率良く勉強できる
勉強計画が定まっている
法改正の情報収集が容易
スキマ時間でも勉強が容易に行える
教材が充実している
いきなりFP2級を受験できる
FP2級通信講座のデメリット
お金はかかる
一定数は挫折する
FP2級は市販教材も通信講座も充実しているため、どちらで勉強を行うか迷うのは当然のことです。
大事なことは、FP2級を受験する目的(昇給・お金の知識を身に着ける、上位資格を狙う等)を明確にしたうえで、自身に合った勉強手段を選択すること。
当サイトではFP2級受験に当たり、独学でも通信講座でも、手助けできる記事を用意しておりますので、ご参照ください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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