本記事の内容は下記記事をまとめたものです。
FP1級を独学10週間で合格した勉強法も気になるけど反省点や失敗はなかったの。
前回の記事では偉そうに勉強法を語ったけど、実はFP1級受験においては、失敗や反省点も多かったよ。
この記事を書いている僕は、FP1級学科試験を10週間の独学勉強で、143点で一発合格を果たしていますが、もし仮にFP1級を再受験するのであれば、失敗や反省点を活かし、更なる高みを目指します。
- 勉強戦略の失敗した点
- 試験後に感じた反省点
- 失敗や反省から学んだ改善ポイント
本記事は、独学勉強で一発合格した者の忖度のない意見ですので、FP1級受験で失敗したくない人は参考にしてください。
FP1級勉強の失敗・反省点①:FP2級からのブランクが長すぎた
あたりまえの話ですが、FP1級はFP2級の延長線です。
しかし、僕の場合、FP2級から5年以上のブランクがあったため、勉強を始めた頃の知識量は、ほとんどの分野で3級レベルか、それ以下。
繰り返しますが、FP2級から更に知識を上乗せされた試験がFP1級です。
FP1級を受験することを考えているのであれば、FP2級の受験から間を空けずに受験することを、強くおすすめします。
FP2級が高得点であれば、その勢いで1級を目指すべきです。
FP2級学科で正答率85%以上であれば、FP1級でもそれなりに対抗できます。
注意点したいのが法令基準日の関係です。
FP試験は試験月によって、法令基準日が異なります。
試験月 | 法令基準日 |
2023年5月 | 2022年10月1日 |
2023年9月 | 2023年4月1日 |
2024年1月 | 2023年10月1日 |
一般的に法改正が多いのが4月であるため、市販教材についても4月法改正を意識して、6~7月頃に最新版が発売されます。
ここで注意するのが、9月受験の場合。
9月受験を予定とする場合、法令基準日が4月1日に対し、法改正を取り込んだ教材の発売は6~7月になることから、法改正前の教材で勉強しつつ、最新版が発売したら変更点を確認する作業が必要になってきます。
以上のことから、FP2級を9月に受験して、そのまま1月にFP1級に挑むのが効率が良いです。
少し厳しい言い方をすると、FP2級を6割ギリギリで逃げ切るような勉強で挑むようであれば、FP1級は辞めておいた方がいいよ。FP1級とFP2級では、受験層の質が違うので、ハンパな気持ちで挑んでも淘汰されるよ。
- FP2級受験から”間”を空けないこと
- 可能であればFP2級を9月、そのまま連続してFP1級を1月に受験する
FP1級勉強の失敗・反省点②:勉強計画の見通しが甘かった
1月受験であったため、11月中旬から勉強を開始して12月中に学科(基礎)インプットを一通り終わらせ、正月から学科(基礎)問題集の反復と、学科(応用)を毎日取り組む予定でした。
しかし、実際は勉強計画に遅れが生じ、学科(基礎)インプットが終了したのが、正月三が日の後でした。
結果、学科(応用)の勉強時間が足りなくなり、綱渡りのような勉強法になってしまいました。
FP1級は難問が多く、アウトプット(練習問題)においても時間を要します。
したがって、フルタイム(残業有)で働きながら、3週間でアウトプットは、かなり無謀であることを実感しました。
理想としては、最低1か月以上はアウトプットに専念できるように計画すること。(そもそも、当初計画もアウトプットは4週間未満と無謀な計画であった)
ただし、現実問題として、インプットにどれだけ時間が掛かるか見通しがつきにくいので、まずは1分野を実際にインプットしてみて、どのぐらい時間が掛かるか知ることが大事です。
ちなみに、10週間で勉強計画を練る場合、1分野当たりのインプット期間は、1週間を限度としないといけません。
- アウトプットは最低1か月、確保すること
- 実際に1分野を勉強してみてから、勉強計画を練ること
FP1級勉強の失敗・反省点③:細かい部分の勉強が不十分であった
- 中高齢寡婦加算の支給要件
- 公正証書遺言の証人になれない者
- 教育贈与資金の相続時の課税
上記内容は勉強したにも関わらず、細かい部分を問われ、試験本番で悩まされました。
FP1級を受験して感じたことは、問われる内容はテキストの太字部分だけでなく、記載されている内容全てであること。
太字部分は知っている前提で、細かい部分が問われるイメージが正しいです。
テキストの太字や色がついているところだけ覚えておこう。
そんな甘い考えだと、学科試験では四択から三択に絞るのも苦労します。
細かい部分までしっかり勉強して、試験本番の四択の選択肢で正解が1つ確信できれば、残り三択の問題内容が全て初見でも点を取れます。
細かい知識の有無が合否の決め手になってくるため、細かい部分も曖昧にしないことが大事です。
実際、曖昧な部分があったことから、二択から一択に絞るのに苦労した問題がいくつかあったよ。
テキストの細かい部分まで覚えるのは、どのような勉強がいいの。
僕の場合、ノートに自分で”質問”と”解答”を作成し、ひたすら取り組んだよ。(ノートの作成方法については、勉強法の記事で詳細を説明しています。)他にも問題集を複数取組みながら、四択全ての設問内容を理解する勉強も効果的だよ
午前の学科(基礎)だけでなく、午後試験の学科(応用)の穴埋め問題も、細かい部分から問われることが多かったです。
細かい部分まで、しっかりインプットすることが、学科(基礎・応用)の対策の1つとなります。
細かい部分まで勉強しても試験本番で解けない問題も出題されますが、全くの初見とわかれば、すぐに諦めがつくので、試験本番後もモヤモヤしないよ。
- テキストの太字部分は解けて当たり前
- テキストや問題集の解説書かれていること全てをインプットする
FP1級勉強の失敗・反省点④:時事問題を全て諦めていた
FP2級の経験から時事問題はコスパが悪いと判断し、最初から全て捨てていましたが、税制改正の時事問題だけは、目を通すべきです。
税制改正の時事問題は、出題率が高くコスパ(勉強時間に対する得点増加率)も高いからです。
- ジュニアNISAの対象年齢
- 直系尊属からの贈与計算
僕が受験した年は、上記内容の改正点があった年でした。
上記内容については午前も午後も出題されました。
時事問題を全て捨てた僕は、当然ながら分からずじまいでした。
時事問題の旨みは、出題難易度は極めて低いこと。
実際、僕が受験した年に出題された時事問題も、知っていれば解ける(得点できる)サービスレベルの難易度でした。
だからといって、全ての時事問題に対策を練るのはコスパが悪いので、的を絞って税制面だけは時事問題も勉強しておくと、プラス得点が期待できます。
税の時事問題対策は具体的にどうすればいいの。
税制改正大綱に目を通すのが一番堅実だけど、おすすめは銀行業務検定試験の税務2・3級テキストの巻頭部分だよ。
税務テキストでは、税制の変更点がしっかり記載されています!(その年度の税改正が記載されたテキストは、3級は7月、2級は11月に発売されます。)
税務テキストも網羅性が高いので、改正点だけでなく所得税・贈与税・相続税のインプット教材としても役立ちます。
後述しますが、税務3・2級の勉強は、そのままFP試験の対策にもなるため、並行して勉強すると効率的です。
- 税制に関する時事問題はコスパ高い
- 銀行業務検定税務のテキストは、時事問題対策も含め使い勝手良し
FP1級勉強の失敗・反省点⑤:午前で出題された問題が午後でも出題
試験本番の午前中(学科:基礎)に、解答に迷う問題が複数ありました。
午前試験終了後、『午前に出題された問題は、さすがに午後は出題されないだろう』と余裕をこいていたら、午後試験にも類似問題が出題されました。
昼休みは1時間しかなく、気持ちを切り替えたい気分もわかります。(昼休みにテキスト見て、もし間違いが発覚すると、2点の失点が確定しヘコむ)
しかし、ここでは気持ちをグッとおさえて、判断に迷った問題はテキストで見直しておかないと、午後に類似問題が出題された場合、更なる失点に繋がります。
午前に出題されたから、午後は出題されないというルールはありません。
試験当日の昼は、午前で曖昧だった部分を見直せる時間配分にしておきましょう。
当日の昼休みですることは2つだけ。
- これまでの練習問題でやらかしたミスのチェック
- 午前で曖昧だった問題の確認
あまり詰め込むと、頭が休まらず午後試験の集中力低下に繋がります。
- 午前に出題した問題は、午後にも出題される可能性はある
- 午前試験で知識不足が露呈した問題は、昼休みにテキストで目を通す
FP1級勉強の失敗・反省点⑥:銀行業務検定税務2級を先に受けるべきだった
この項目は現役銀行員以外の方は、参考程度で読んでください。
僕の各受験の順番は以下の通り。
結論は税務2級を先に受験しておくべきだったと反省。
理由は単純でFP試験において4割ほど税務が絡んでくるからです。
実際、学科(応用)においても、下記項目は税務2級と重複する部分が多いです。
- タックスプランニング全般
- 相続・事業継承の相続税全般
- 不動産の譲渡所得
また、税務2級はかなり突っ込んだ内容を問いてくるため、税務2級の試験勉強のなかで税務に関する曖昧な部分が露呈されました。(所得税や特例贈与など)
- 時間に余裕がある
- FP1級受験を迷っている
このような方は、まず税務2級で力量を計ってみることをおすすめします。
税務2級で8割確保できたら、FP1級でも良い勝負ができるよ。
ただし、税務2級は年1回で受験時期は3月なので、1月受験だと10か月ブランクができてしまう欠点はあります。
ただし、税務2級は数ある銀行業務検定の中でも最も難易度が高い分類に入るので、抵抗があるのであれば、税務3級でも良いです。(2級と3級の最大の違いは難易度より解答形式。3級は五門択一、2級は記述)
\税務2級・3級の中身が気になる方はこちら/
税務3級は年2回(3月・10月)受験できるため、勉強短期間派であれば、下記のようなスケジュールも視野に入れて良いです。
このスケジュールって厳しくない。
僕自身、税務3級とFP2級受験から5年以上ブランクがある状態で11月中旬から勉強して合格できたから、短期間派であれば実現可能なスケジュールだよ。
- 税務2・3級とFPは試験範囲が重複する部分が多い
- 税務を先に受験しておくと、所得税・贈与税・相続税の勉強が捗る。
FP1級勉強の失敗・反省点まとめ
本記事では、FP1級を独学短期間で勉強した中で痛感した失敗・反省点についてお伝えしました。
FP1級勉強の失敗・反省点をまとめたのがこちら。
- FP2級からブランクが長かった
- 勉強計画の見通しが甘かった
- 細かい部分の知識が不十分であった
- 時事問題は全て諦めていた
- 午前で出題された問題は午後では出題はないと決めつけていた
- 銀行業務検定「税務2級」を先に受験するべきであった
試験勉強を行うにあたり、合格(成功)記事も重要ですが、失敗・反省点の記事も同じぐらい重要です。
なぜなら、失敗・反省点の記事をしっかり読んでおけば、あなたは先人と同じ過ちを避けることができるからです。
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ
この記事を読んだあなたは、先人の失敗という歴史を踏み台に、FP1級一発合格を狙っていきましょう。
当サイトでは、多忙だけど頑張るあなたを、情報発信という形で応援します。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。