【2024年6月更新】
銀行業務検定法務4級ってどんな試験なの。合格率や勉強方法も気になる。
合格率は6~7割と安定。過去問を反復する勉強法で合格点に達するよ。また民法が基本となるため、宅建などで法律の知識や概念が身についていると勉強はスムーズに進むよ。
法務4級の出題科目は4つに分かれ、預金と手形・小切手の問題が6割を占めます。
- 預金
- 手形・小切手
- 融資
- 内国為替
範囲は広く、実務経験のない科目には不安もありますが、内容は初級クラスなので、正しい勉強法を実践すれば8割(合格点は6割)は確保できます。
ただし、毎回3~4割ほどは不合格となっており、実務経験がある科目でも勉強しないと解けない問題が多いので、油断は禁物です。
- 法務4級の内容(出題項目・試験日・受験料など)
- 法務4級の難易度(合格率)
- 使うべき教材
- 具体的な勉強法(4つの手順)
まずは法務4級がどのような試験なのか、解説していきます。
銀行業務検定「法務4級」とは
「銀行業務検定試験」は、主として銀行・保険・証券等金融機関の行職員を対象に、業務の遂行に必要な実務知識および技能応用力についてその習得程度を測定することを目的に、さらには実務能力水準の向上に寄与することを願って1968 年2月からスタートした公開の検定試験です。
現在、法務・財務・税務・外国為替・証券・融資渉外・金融経済・信託実務・窓口セールス・年金アドバイザー・営業店マネジメント・デリバティブ・融資管理・投資信託・金融商品取引・相続アドバイザー・事業承継アドバイザー・事業性評価等22 系統・37種目の試験を実施しています。2023年6月試験におきまして、累計受験申込者数1,109万人に達しています。なお、2022年度の年間受験申込者数は16万8千人にのぼっています。
銀行業務検定協会より引用
法務は23系統の中でもメジャーであり、財務や税務と並ぶ3本柱として、多くの方が受験されます。
この3本柱は三択50問の4級、五択50問の3級、記述10問の2級と別れています。
法務4級の特徴としては、基本事項の問題が大半なので、勉強すれば実務経験ゼロの分野でも満点は狙えます。
銀行業務検定法務4級の合格率と難易度
試験実施月 | 合格率 | 応募者数 | 受験者数 | 合格者数 | 勤務年数 |
---|---|---|---|---|---|
2023年10月 | 61.41% | 1,401 | 1,319 | 810 | 2.6 |
2022年10月 | 68.98% | 1,802 | 1,706 | 1,248 | 2.7 |
2021年10月 | 66.84% | 2,478 | 2,346 | 1,568 | 2.5 |
2020年10月 | 63.44% | 2,256 | 2,131 | 1,352 | 2.5 |
2019年10月 | 60.15% | 3,031 | 2,846 | 1,712 | 2.4 |
2018年10月 | 63.72% | 3,583 | 3,335 | 2,125 | 2.5 |
2017年10月 | 72.66% | 3,772 | 3,574 | 2,597 | 2.2 |
合格率は6~7割と他の4級試験と比較しても高い水準で推移。
平均勤続年齢は2.5年以下と若手向けの試験です。
都銀や一部地銀では3級受験を推奨されていることから、信用金庫の受験者が多い試験でもあります。
注意点は合格率が高い試験うえに、人事部や上司も合格して当たり前という認識があることです。
したがって、不合格になると”自己啓発に消極的”というマイナスのイメージを持たれるので、受験するからには必ず合格しましょう。
とは言え、ここでお伝えする勉強法を参照すれば、全く警戒する試験ではありませんので、安心してください。
銀行業務検定法務4級の試験概要
出題形式 | 三答択一式 50問(各2点) |
---|---|
科目構成 | (1)預金15問 (2)手形・小切手15問(手形交換・電子記録債権を含む) (3) 融資10問(管理・回収を含む) (4) 内国為替10問 |
合格基準 | 満点の60%以上(試験委員会にて最終決定) |
試験時間 | 90分 |
融資科目はイメージが湧きにくく、問われる内容も難しいですが、10問しか出題されません。
また、最近になって科目構成の変更が行われ、現在は全ての科目を勉強する必要があることも注意。
試験時間は90分、問題数は50問のため1問あたり1分半ですが、知っていれば即座に解ける問題が大半なため、時間に追われる試験ではありません。
銀行業務検定法務4級の科目構成の内容
預金(15問)では、主に以下の内容が問われます。
- 取引時事項
- 預金受入・支払
- 当座勘定規定
- 普通預金規定
- 差押
- 相続
手形・小切手(15問)では、主に以下の内容が問われます。
- 振出記載事項
- 裏書
- 支払呈示
- 自己宛・線引き小切手
- 偽造・変造手形
- 手形交換
- 電子記録債権
融資(10問)では、主に以下の内容が問われます。
- 融資の相手方
- 融資種類の特徴
- 保証契約
- 担保
- 管理・回収
内国為替(10問)では、主に以下の内容が問われます。
- 振込
- 代金取立
銀行業務検定法務4級の試験日(応募期間)と受験料
2024年度のスケジュールは以下の通り
試験日 | 応募期間 |
---|---|
2024年10月27日(日) 10:00~11:30(午前) | 2024年8月19日(月)09:00 〜 2024年9月4日(水)23:30 |
銀行業務検定は原則年1回ですが、需要の高い試験は年2回あります。
試験開催日は年3回で、3月上旬・6月上旬・10月下旬の日曜日に開催され、午前か午後かは試験によって変わります。
法務4級は年1回の試験で、毎年10月の午前に実施されています。
午後からは法務3級も実施しているため、W受験することも可能です。
W受験で法務3級を検討している方は、こちらの記事も参考にしてください。
三本柱だと税務3級も午後に実施されています。
法務4級の受験料は4,950円となります。
銀行業務検定法務4級CBT試験について
2020年より開始となったCBT試験により、これまで年1回しか受験できなかった法務4級が全国の共通会場で、好きなときに受験できるようになりました。
試験日 | 申込期間 |
---|---|
2024年5月1日(水)~ 2025年3月31日(月) | 2024年4月28日(日)~ 2025年3月28日(金) |
- 試験難易度
- 試験時間
- 受験料
上記項目は年1回の全国一斉試験と同じなので、勉強法も使用する教材も、本記事でお伝えする内容を参考にしてもらって問題ありません。
銀行業務検定法務4級のおすすめ教材
過去5回の過去問です。
試験は過去問中心なので、この教材は必ず購入してください。
この教材なしだとハードモードの試験になります。
- 問題集だけでなくテキストも使いたい
- 法務3級も近いうちに受験する
このような方には法務3級の直前整理テキストが大活躍します。
要点は分かりやすくまとまっており、法務3級受験においても公式テキストより推奨しているテキストです。
法務4級の合格ラインを狙うだけであれば、買う必要はありません。
注意点として法務は時々、試験内容に影響する大きな法改正があるので、直前整理テキスト購入後から、法務3級を受験するまでの期間は短くすること。
最近だと令和2年の民法改正が一番の試験内容に影響する大掛かりな法改正だったね。
法改正前の知識を間違ってインプットしないように、問題集は必ず最新版を買うようにね。
- 試験は過去問を中心に出題されるので、過去問題集は必須。
- テキストは必須品ではない。
銀行業務検定法務4級の出題傾向と合格のポイント
ここからいよいよ本題です。
まずは問題集を始める前に、冒頭部分の出題項目一覧を確認してみてください。
細かい項目ごとに、過去5回のうち何回出題されたか、記載されております。
そこで1つ気づくことがあります。
連続して出題されている項目が、大半であることに!
とくに5回連続して出題されている項目や、直近3回連続で出題されてる項目は、主催者側が重要視している問題なので、捨てることは絶対に避けましょう。
例えば預金だと、以下の項目は5年連続出題されているよ。
- 預金通帳・証書の法的性質
- 取引時確認
- 疑わしい取引の届け出
- 預金保険制度
まずは3回以上出題されている項目を、確実に解けることを目標としましょう。
銀行業務検定法務4級の勉強方法を4つの手順で解説
4つのフェーズにわけて解説します。
手順①:直近3回分の過去問を解く
法務4級の出題項目一覧を見ると分かるのですが、3回以上出題されている項目が大半です。
したがって、手順①では直近3回の過去問を解答文を読みながらインプットして、法務4級の要点を押さえてきます。
手順①の狙いはインプットであるため、全く解けなくても気にしなくてよいです。
1周目は覚えることばかりで、進捗も悪く非常に辛い(特に実感が湧きにくい融資)ですが、直近3回分を取組むと、解ける問題が増えてくるので頑張っていきましょう。手順①が最大の山場です。
手順②:解答を見ずに全て解き、間違えた・曖昧だった問題を冒頭の出題項目一覧にチェック。
手順②の狙いは理解できていない項目の抽出です。
- 間違えた問題
- 曖昧だった問題
この2つの問題については、冒頭の出題項目一覧表にチェックして可視化しましょう。
手順②で抽出された問題は、本試験で失点に繋がる可能性が高いので、しっかり見直すことが大事です。
ただし、正答率35%以下の問題や出題頻度が過去5年で1回のみの問題(直近1回は除く)で、理解に苦しむようであればスルーしてかまいません。
それらの問題は、満点を取らせないための奇問・難問であるため、まともに向き合ってもコスパは悪いです。
手順③:間違えた問題と曖昧な問題だけを解く
手順②で解けた問題は、まだ記憶が新しいので、少し間を置いても大丈夫。
試験合格の課題は、手順②で抽出された問題を、如何に理解して解けるようにするかです。
通勤中や昼休み中などのスキマ時間も活用していき、一問一問潰してきましょう。
自信のない問題については、まだ触れていない2回分の過去問の類似問題も解いていきましょう。
実務経験のない科目の勉強に自信がないわ。
法務4級は若手向けの試験で、預金/融資/為替の全てを経験していない前提で、問題は作成されているから安心していいよ。
繰り返しますが、法務4級は類似問題が多いので、実務経験ゼロの科目でも勉強すれば高得点は狙えます。
苦手な問題も頻繁に向き合えば記憶にも残るので、完全に理解していなくても、類似問題であれば解けるようになります。
手順④:時間を意識して直近から全ての過去問を解く
この段階までたどり着けば、過去問1回分を解くぐらいであれば、苦痛なく取り組めるはずです。
手順④の狙いは、理解できていなかった問題、判断に迷った問題、ミスした問題の確認です。
手順④で間違えた問題(迷い、ミス含む)は必ず原因を追究してください。
ミス問題は甘くみないこと。
試験を効率的に合格するためには、難しい問題を理解するより、ミス問題を無くしていくことです。
手順④で間違えたり迷う問題は、試験本番でも繰り返す可能性があるので、問題集の余白部分に箇条書で良いので記載して、試験当日に会場に着いたら、必ず目を通すようにしてください。
試験に落ちる人ほど、手順④の間違いに対する認識が甘いです。
手順④まで来たら、後は手順③④を時間の許す限り、繰り返すだけだよ。
銀行業務検定法務4級のよくある質問
ここでは、法務4級のよくある質問をまとめました。
銀行業務検定法務4級の勉強法まとめ
本記事では銀行業務検定法務4級の難易度、おすすめ教材、具体的な勉強法(対策)についてお伝えしました。
法務4級についてまとめたのがこちら。
- 合格率は6~7割と安定
- 過去問題集は必須
- 過去問の反復が合格への近道
- 宅建など法律試験の勉強経験があると勉強は捗る
繰り返しとなりますが、法務4級は過去の類似問題が多いことから、過去問題集を何度も解くことが、一発合格の一番の近道です。
銀行業務検定は実務で活かす意味合いよりも、社内での評価に利用されやすい意味合いの方が強い試験であることから、とにかく「合格」することが重要な試験です。
とくに4級試験は合格して当たり前。不合格は人事評価に悪影響する可能性があるため、受験するからには一発合格する必要があります。
せっかく貴重なオフの時間を用いるのであれば、ここでお伝えした効率的な勉強法を参考にして、確実に「一発合格」を狙いましょう。
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