【2022年1月更新】

法務4級の出題科目は以下4つで、預金と手形・小切手の問題が6割を占めます。
- 預金
- 手形・小切手
- 融資
- 内国為替
範囲は広く、実務経験のない科目には不安もありますが、内容は初級クラスなので、正しい勉強法を実践すれば8割(合格点は6割)は確保できます。
しかしながら、毎回3~4割ほどは不合格となっており、実務経験がある科目でも、勉強しないと解けない問題が多いので油断は禁物です。
この記事でわかること
法務4級の内容(出題項目や試験日など)
法務4級の難易度(合格率)
使うべき教材
具体的な勉強法(4つの手順)
まずは法務4級がどのような試験なのか、解説していきます。
銀行業務検定「法務4級」とは
銀行業務検定試験は主として銀行・保険・証券等金融機関の行職員を対象に、業務の遂行に必要な実務知識や技能・応用力についてその習得程度を測定することを目的とした、どなたにもご受験いただける公開の検定試験です。
現在、法務・財務・税務・外国為替・金融経済・証券・信託実務・法人融資渉外・個人融資渉外・窓口セールス・年金アドバイザー・営業店管理・融資管理・デリバティブ・投資信託・保険販売・金融リスクマネジメント・経営支援アドバイザー・預かり資産アドバイザー・金融商品取引・相続アドバイザー・事業承継アドバイザー・事業性評価等の23系統36種目の試験が実施されており、年間受験応募者数は約29万人を数えるに至っています。
法務は23系統の中でもメジャーであり、財務や税務と並ぶ3本柱として、多くの方が受験されます。
この3本柱は三択50問の4級、五択50問の3級、記述10問の2級と別れています。
法務4級の特徴としては、基本事項の問題が大半なので、勉強すれば実務経験ゼロの分野でも満点は狙えます。
銀行業務検定法務4級の合格率と難易度
試験実施月 | 合格率 | 応募者数 | 受験者数 | 合格者数 | 勤務年数 |
---|---|---|---|---|---|
2021年10月 | 66.84% | 2,478 | 2,346 | 1,568 | 2.5 |
2020年10月 | 63.44% | 2,256 | 2,131 | 1,352 | 2.5 |
2019年10月 | 60.15% | 3,031 | 2,846 | 1,712 | 2.4 |
2018年10月 | 63.72% | 3,583 | 3,335 | 2,125 | 2.5 |
2017年10月 | 72.66% | 3,772 | 3,574 | 2,597 | 2.2 |
2016年10月 | 73.82% | 4,192 | 3,954 | 2,919 | 2.5 |
2015年10月 | 70.85% | 3,985 | 3,794 | 2,688 | 2.4 |
合格率は6~7割と他の4級試験と比較しても高い水準で推移。
平均勤続年齢は2.5年以下と若手向けの試験です。
また、都銀や一部地銀では3級受験を推奨されていることから、信金受験者が多い試験でもあります。
注意点は合格率が高い試験うえに、人事部や上司も合格して当たり前という認識があることです。
したがって、不合格になると”自己啓発に消極的”というマイナスのイメージを持たれるので、受験するからには必ず合格しましょう。
とは言え、ここでお伝えする勉強法を参照すれば、全く警戒する試験ではありませんので、安心してください。
銀行業務検定法務4級の試験概要
出題形式 | 三答択一式 50問(各2点) |
---|---|
科目構成 | (1)預金15問 (2)手形・小切手15問(手形交換・電子記録債権を含む) (3) 融資10問(管理・回収を含む) (4) 内国為替10問 |
合格基準 | 満点の60%以上(試験委員会にて最終決定) |
試験時間 | 90分 |
イメージが湧きにくく、問われる内容も難しい融資科目は10問しか出題されません。
また、最近になって科目構成の変更が行われ、現在は全ての科目を勉強する必要があることも注意。
- 預金20問(必須)
- 手形・小切手20問(必須)
- 融資10問(選択)
- 内国為替10問(選択)
試験時間は90分、問題数は50問のため1問あたり1分半ですが、知っていれば即座に解ける問題が大半なため、時間に追われる試験ではありません。
銀行業務検定法務4級の科目構成の内容
預金(15問)では、主に以下の内容が問われます。
- 取引時事項
- 預金受入・支払
- 当座勘定規定
- 普通預金規定
- 差押
- 相続
手形・小切手(15問)では、主に以下の内容が問われます。
- 振出記載事項
- 裏書
- 支払呈示
- 自己宛・線引き小切手
- 偽造・変造手形
- 手形交換
- 電子記録債権
融資(10問)では、主に以下の内容が問われます。
- 融資の相手方
- 融資種類の特徴
- 保証契約
- 担保
- 管理・回収
内国為替(10問)では、主に以下の内容が問われます。
- 振込
- 代金取立
銀行業務検定法務4級の試験日(応募期間)と受験料
2022年度のスケジュールは以下の通り
試験日 | 応募期間 |
---|---|
2022年10月23日(日)
10:00~11:30(午前) |
2022年8月18日(木)09:00 〜 2022年9月7日(水)23:30 |
銀行業務検定は原則年1回ですが、需要の高い試験は年2回あります。
試験開催日は年3回で、3月上旬・6月上旬・10月下旬の日曜日に開催され、午前か午後かは試験によって変わります。
法務4級は年1回の試験で、毎年10月に実施されています。
受験料は4,950円となります。
銀行業務検定法務4級CBT試験について
2020年より開始となったCBT試験により、これまで年1回しか受験できなかった法務4級が全国の共通会場で、好きなときに受験できるようになりました。
試験日 | 申込期間 |
---|---|
2021年5月1日(土)~ 2022年3月31日(木) | 2021年4月28日(水)~
2022年3月28日(月) |
- 試験難易度
- 試験時間
- 受験料
上記項目は年1回の通常試験と同じとなります。
したがって、勉強法も使用する教材も、ここでお伝えする内容を参考にしてもらって問題ありません。
銀行業務検定法務4級のおすすめ教材
過去5回の過去問です。
試験は過去問中心なので、この教材は必ず購入してください。
この教材なしだとハードモードの試験になります。
- 問題集だけでなくテキストも使いたい
- 法務3級も近いうちに受験する
このような方には法務3級の直前整理テキストが大活躍します。
要点は分かりやすくまとまっており、法務3級受験においても公式テキストより推奨しているテキストです。
ただし、法務4級の合格ラインを狙うだけであれば、買う必要はありません。
注意点として法務は時々、試験内容に影響する大きな法改正があるので、直前整理テキスト購入後から、法務3級を受験するまでの期間は短くすること。

最近だと民法改正が一番の試験内容に影響する大掛かりな法改正だったね。
ポイント
試験は過去問を中心に出題されるので、過去問題集は必須。
テキストは必須品ではない。
銀行業務検定法務4級の勉強方法
ここからいよいよ本題です。
まずは問題集を始める前に、冒頭部分の出題項目一覧を確認してみてください。
細かい項目ごとに、過去5回のうち何回出題されたか、記載されております。
そこで1つ気づくことがあります。
連続して出題されている項目が、大半であることに!
特に5回連続して出題されている項目や、直近3回連続で出題されてる項目は、主催者側が重要視している問題なので、捨てることは絶対に避けましょう。

- 預金通帳・証書の法的性質
- 取引時確認
- 疑わしい取引の届け出
- 預金保険制度
銀行業務検定法務4級の勉強手順
手順1直近3回分の過去問を解きましょう。
手順2解答を見ずに全て解き、間違えた・曖昧だった問題を、冒頭の出題項目一覧にチェック。
手順3間違えた問題と、曖昧な問題だけを解きましょう。
手順4時間を意識して、直近から全ての過去問を解きましょう。
直近3回分の過去問を解きましょう。
法務4級の出題項目一覧を見ると分かるのですが、3回以上出題されている項目が大半です。
したがって、手順①では直近3回の過去問を解答文を読みながらインプットしていけば、法務4級の要点は押さえられます。

手順②の狙いは理解できていない項目の抽出です。
- 間違えた問題
- 曖昧だった問題
この2つの問題については、冒頭の出題項目一覧表にチェックして可視化しましょう。
ここで抽出された問題は、本試験で失点に繋がる可能性が高いので、しっかり見直すこと。
ただし、正答率35%以下の問題や、出題頻度が過去5年で1回のみの問題(直近1回は除く)で、理解に苦戦しそうであれば飛ばしてもかまいません。
それらの問題は、満点を取らせないための奇問・難問であるため、まともに向き合ってもコスパは悪いです。
間違えた問題と、曖昧な問題だけを解く。
手順②で解けた問題は、まだ記憶が新しいので、少し間を置いても大丈夫。
試験合格の課題は、手順②で抽出された問題を、如何に理解して解けるようにするかです。
通勤中や昼休み中などのスキマ時間も活用していき、一問一問潰してきましょう。
自信のない問題については、まだ触れていない2回分の過去問の類似問題も解いていきましょう。

繰り返しますが、法務4級は類似問題が多いので、実務経験ゼロの科目でも勉強すれば高得点は狙えます。
また、頻繁に苦手な問題に向き合えば記憶にも残るので、完全に理解していなくても、類似問題であれば解けるようになります。
時間を意識して、直近から全ての過去問を解きましょう。
この段階までたどり着けば、過去問1回分を解くぐらいであれば、苦痛なく取り組めるはずです。

手順④の狙いは、理解できていなかった問題、判断に迷った問題、ミスした問題の確認です。
ここで間違えた問題(迷い、ミス含む)は必ず原因を追究してください。
特にミス問題は甘くみないこと!
試験を効率的に合格するためには、難しい問題を理解するより、ミス問題を無くしていくことです。
手順④で間違えたり迷う問題は、試験本番でも繰り返す可能性があるので、問題集の余白部分に箇条書で良いので記載して、試験当日に会場に着いたら、必ず目を通すようにしてください。
試験に落ちる人ほど、手順④の間違いに対する認識が甘いです!
銀行業務検定法務4級のよくある質問
ここでは、法務4級のよくある質問をまとめました。
法務4級に限らず、銀行業務検定の受験資格はなし。
したがって、新人や学生が法務4級や3級を飛び越えて、法務2級に受験することも可能。
法務3級、法務2級。
ただし法務3級は五択に増えるうえに合格率も3割程と厳しめ。
また法律分野と相性が良いと確信したら、民法分野で範囲が重複する宅建もおすすめ。
三本柱と呼ばれる財務・税務と比較しても法務に軍配が上がる。
なぜなら、業務における規程は、民法や各種法律を元に作成されているからである。
そのため法務を勉強すると、規程の本質が分かり顧客へ納得のいく説明ができるようになる。
法務4級は過去問頻度が高いので、過去問を3周すれば合格ラインに届きます。
また解説文も細かく記載されていることから、問題集1冊でインプットとアウトプットが可能。
法務4級では問われる内容が限定されています。
したがって、法律の教科書を読むより、実際に問題を解いて、法務4級が求める内容を肌で知る方が圧倒的に効率が良い。
銀行業務検定法務4級の勉強法まとめ
この記事では、銀行業務検定法務4級の難易度、おすすめ教材、具体的な勉強法(対策)についてお伝えしました。
法務4級についてまとめたのがこちら
ポイント
合格率は6~7割と安定
過去問題集は必須
過去問の反復が合格への近道
宅建など法律試験の勉強経験があると勉強は捗る
繰り返しとなりますが、法務4級は過去の類似問題が多いことから、過去問題集を何度も解くことが、一発合格の一番の近道です。
銀行業務検定は実務で活かす意味合いよりも、社内での評価に利用されやすい意味合いの方が強い試験であることから、とにかく「合格」することが重要な試験です。
特に4級試験は合格して当たり前。不合格は人事評価に悪影響する可能性があるため、受験するからには一発合格する必要があります。
せっかく貴重なオフの時間を用いるのであれば、ここでお伝えした効率的な勉強法を参考にして、確実に「一発合格」を狙いましょう。
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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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