FP1級の問題集はどれが一番いいのかな。
おすすめできる問題集は、ビジネス教育出版社の”対策問題集”とTACの”合格トレーニング”だよ。少し厳しい言い方すると、この2冊以外はおすすめしません。
この記事では、おすすめできるFP1級問題集として、2つの問題集の特徴をお伝えします。
教材 | 特徴 | 価格 |
---|---|---|
対策問題集 | 現役ベテラン講師が監修 量も質も充実している 解説がやや不十分 | 4,400円 |
合格トレーニング | 量が非常に充実 セッションごとの勉強が行いやすい 1色刷りで地味 | 3,630円 |
この2冊のうち、どちらかを購入すればいいわけね。
違うよ。欠点が気にならない限り、2冊とも購入がおすすめ。問題集を2冊取り組むべき理由もお伝えするね。
- おすすめ問題集である”対策問題集”の前任の精選問題集を用いて、独学10週間でFP1級に合格しています。
- 大型本屋に出向き、全ての教材に目を通しています。
- 問題集と試験問題との関連性を確認するために、過去問にもしっかり目を通しています。
- FP1級問題集選びで迷っている
- FP1級を独学で挑もうとしている
- おすすめされていない問題集の評価も気になる
ここで紹介する問題集2冊をフル活用すれば、合格率10%のFP1級でも合格点を突破できる実力が身に着きます。
FP1級では問題集2冊取り組むことが大事な理由
FP1級の勉強法の手順はざっくり以下の通りとなります。
この流れから分かるように、合格するためにはアウトプットとして問題集をひたすら解くことが重要になってきます。
アウトプットを疎かにすると、自分の特性を把握できず、対策を練られないまま試験に突入して不合格となります。
インプットを全力で取り組んでも、アウトプットのフェーズで失敗すれば、台無しなんだね。
アウトプットを失敗しないためには、2冊の問題集をひたすら解くのが一番シンプルな方法です。
2冊の問題集を取組む理由は以下3つ。
- 本当に重要な問題を把握する
- 多くの問題に触れ、型を知る
- 1つの出版社に偏るリスクを軽減する
順に説明します。
理由①:本当に重要な問題を把握する
FP1級問題集において、独自(予想)問題集はTACの直前問題集ぐらいです。
他の問題集は、過去問の使い回し(改題含む)が主体です。
えっ、おすすめ問題集である”対策問題集”も”合格トレーニング”も、過去問題で構成されているの。
その通りだよ。
それだと重複する問題もあって損した気分になるのでは…
発想を逆転しましょう。
異なる2つの出版社が、同じ過去問題を抽出した。
これは何を意味するか。
答えは1つ。
極めて重要な問題であるってことです。
異なる2冊の問題集で出題されている問題は、試験本番でも関連問題が出題される可能性が高いので、優先的に取り組むべき問題だと分かります。
理想は全ての問題を完璧に理解し、なおかつ関連問題にも全て対応できるようにすることですが、現実的には全ての関連問題に対応するレベルまで上げるのは大変なので、まずは重要問題から理解を深めていきましょう。
理由②:多くの問題に触れ、型を知る
FP1級は試験範囲がとにかく広いにも関わらず、学科基礎では出題数はたった50問です。
この50問の中に難易度の落差はあります。
大事なことは、難易度が低い問題は確実に得点することです。
ただし、難易度が低い問題とはいえ、一度は類似問題を解いて型を知っていないと、自信をもった解答ができません。
逆を言えば、試験本番で類似問題と気づけば、得点できるわけです。
類似問題と気づく確率を上げるためには、実際に多くの問題と触れ、型を知ることが一番の対策となります。
おすすめ2選は、どちらも問題数が多いので悩む心配はないよ。
注意は1つあります。
FP1級の過去問題の出題率は、FP2級と比較して格段に低いです。
それだと、過去問主体の問題集を2冊も取り組む意味がないのでは…
ここでも発想の転換です。(2回目ww)
そもそも過去問の出題率が高ければ、FP2級より受験者の質が高いFP1級試験で、合格率10%という数字にはなりません。
確かに過去問の出題率は低いですが、合格する10%の連中は、確実に過去問の類似問題を得点してきます。
例え過去問の出題率が10%でも、その10%を確実に得点する意気込みが大事です。
そのためにも、多くの問題と触れて、試験本番では見覚えのある問題は、確実に解けるようにする必要があります。
理由③:1つの出版社に偏るリスクを軽減する
FP1級はとにかく範囲が広いため、各出版社は全ての問題は記載できず、厳選した問題だけを記載しています。
ただし、この厳選した問題の信ぴょう性については、きんざいの後任であるビジネス教育出版社も含め、鵜呑みにするの危険です。
きんざいの後任教材でも100%信じてはダメなの。
100%は極めて危険です!
きんざいの後任教材とはいえ、AとBの2つの重要事項で、Aの事項を問題集に記載するも、試験本番ではBの事項が出題されることはあります。
対策としては、出版社を1つに絞らないことです。
例えば、ビジネス教育出版社とTACの2つの問題集を取組めば、2つの異なる出版社の視点を取り入れることができます。
結果、難易度「易」問題の得点取りこぼしのリスク分散に繋がります。
FP2級では、網羅性の高い問題集1冊を徹底反復すれば合格は濃厚だけど、FP1級において1冊だけでは心許ないところがあるね。
やっぱFP1級の試験範囲が広すぎるから、問題集1冊では基礎問題だけでも、全て網羅は厳しいんだね。
本当に重要な問題が分かる
多くの問題と関わる中で、多くの型を学べる
出版社リスクを分散させれる
問題集を2冊取り組むべき理由は分かってもらえたはずなので、ここからはおすすめ問題集の特徴を、惜しみなく解説していきます。
FP1級おすすめ問題集①:対策問題集
きんざいの精選問題集の後任教材。
きんざいの精選問題集の出題・解説形式を引き継いでいます。
メリット①:現役ベテラン講師が監修
ビジネス教育出版社の対策問題集は、きんざいの精選問題集の後任教材であり、金融機関のFP受験研修で使用されています。
ビジネス教育出版社は金融系の書籍を扱うほか、FPの通信講座やセミナーも開催しています。
監修者はFP1級の現役ベテラン講師であり模擬試験の作成・解説にも携わっているため、教材として信頼性が高いです・
メリット②:量も質も充実している
対策問題集においては、以下2つの内容が盛り込まれています。
- 学科基礎:各分野44~52問
- 学科応用:各分野6~7問
他の問題集では、学科基礎において各分野30問以内であることから、量が非常に充実していることが分かります。
さらに、抽出された問題は試験主催者である”きんざい”が抽出した点も見逃せません。
問題集2冊を取組むべき理由で前述した通り、FP1級を合格するうえでは、多くの問題と触れ、類似問題は確実に得点していく必要があります。
FP1級問題集では、ヤマをはった厳選25問より、少し幅を広げた50問の方が価値があります。
デメリット:解説がやや不十分
精選問題集でよく見かける光景が「不適切なものを答えよ」という学科基礎問題の解答・解説欄で下記のようなパターンが多いです。
- 適切。
- 不適切。○○の場合は△△である
- 適切。
- 適切。
- 適切な設問に対する解説はなし。
- 不適切な設問に対しては、どこが不適切か簡易説明だけ。
もちろん全てがこのパターンでなく、適切な項目であっても追加情報が記載されていたり、次ページで表付きで解説があるものもあります。
他の問題集では4つ全ての解答に対し、コメントやら追加情報が記載されていることが多いよね。
ただし、この点は自身で解説を書き加えれば解決する話でもあります。
僕自身も、前任のきんざい問題集を使っていましたが、問題欄に自身で作成した類似問題を書き加えて、解説・解答欄には本問や類似問題に対する解説を書いていました。
- 最初から完成された高い問題集を使うか
- 自身で問題集を完成させていくか
自身の勉強法によって評価は変わります。
対策問題集の対となるテキスト
僕が紹介するFP1級おすすめ3選にも入っている優良なテキストです。
ページ数は500ページとやや少ないものの、試験に必要な基礎内容はコンパクトに詰め込まれています。
FP1級おすすめ問題集②:TAC合格トレーニング
名前にトレーニングとついている通り、セッションごとのトレーニングが非常に行いやすい問題集です。
資格の大手専門学校であるTACが、実際の通信講座で利用している教材でもあります。
メリット①:量が非常に充実している
きんざい精選問題集は、学科基礎、学科応用、過去問(直近3回)の3部構成に対し、合格トレーニングには過去問はなく、2部構成となります。
学科基礎問題数は各分野50問以上と、FP1級問題集の中では最も量が充実しています。
勉強がやりにくい学科応用においても、分野ごとに量を維持しつつメリハリもあるので心強いです。
- 社会保険:6問
- 金融資産:5問
- タックスプランニング:5問
- 不動産:8問
- 相続・事業継承:5問
不動産は問題数が多いんだね。
それだけ不動産の出題されるポイントは、多岐にわたるってこと。
繰り返しとなりますが、FP1級では多くの問題と触れ合い、同じ型の問題は確実に得点することが重要なため、量が充実していることは、重視すべきポイントとなります。
メリット②:セッションごとの勉強が行いやすい
FP1級を勉強していく中で頭を悩ますのが苦手な項目。
僕の場合、下記項目に苦手意識がありました。
- 年金関連
- 借地の税務
- 土地の有効活用(交換・買換)
- 贈与(特例含む)
- 事業継承
FP2級であれば、多少の苦手な部分は目を閉じても、得意分野で得点を稼げば合格点に達します。
しかし、FP1級では学科基礎において、FP2級より10問少ない50問しか出題されないうえ、運よく得意分野が出題されても奇問・難問であったり、苦手項目で基礎問題(得点すべき問題)が出題される可能性もあります。
したがって、FP1級では苦手分野であっても、逃げるわけにはいきません。
では、具体的にどう苦手分野を克服するか。
苦手項目の問題を反復して取り組むことです。
合格トレーニングでは量が充実しているだけでなく、セッションごとに問題が整理されています。
例えば、不動産分野を見てみると、下記11のセッションに分離されており、総問題数は60問以上です。
- 不動産の見方
- 不動産の取引①宅地建物取引業・売買契約上の留意点
- 不動産の取引②借地借家法
- 不動産に関する法令上の制限①都市計画法
- 不動産に関する法令上の制限②建築基準法
- 不動産に関する法令上の制限③農地法/生産緑地法
- 区分所有法
- 不動産の取得・保有に関する税金
- 不動産の譲渡に係る税金
- 借地権の税務
- 不動産の投資判断
そのため、合格トレーニングでは下記のようなメリハリのある勉強法も実践しやすいです。
- 全ての問題を3周取り組む
- 苦手項目の問題だけは5周取り組む
周を想定してか、各問題の右側にチェックボックスが5つあるね。
デメリット:1色刷りで地味
FP2級の教材ではフルカラーも徐々に浸透しているなか、合格トレーニングは1色刷りです。
そのため、滝澤ななみさんのような豊富なカラー教材を使っている方がパッと見ると、地味な感じは否めません。
堅いと巷で有名なきんざい精選問題集ですら、重要部分は赤字が使われているよね。
カラーの方が頭に入りやすいという研究データもありますが、合格トレーニングはテキストでなく問題集です。
問題集の役割の1つが、インプットが正しく行えているかの確認であることから、確認作業に色の使い分けは、気にする必要はないです。
1色刷りだけを理由に、合格トレーニングを避ける方が機会損失は大きいよ。
また、解説でインプットを行う際は、個別に蛍光ペンなどで色を付ければ済む話です。
むしろ、自分にとって苦手・曖昧部分に色を付けることによって、どの部分に重点を置く必要があるか一目瞭然になる利点もあります。
よくよく考えたら、本番の試験問題も1色刷りだよね。
合格トレーニングの対となるテキスト
僕が紹介するFP1級おすすめ3選に入っている優良なテキストで、実際に使用していた教材でもあります。
≫あわせて読みたい:FP1級合格者が語るおすすめテキスト3選【1位は○○】
分野ごとにテキストが分れているため、計6冊(計900ページ)となります。
テキスト自体の使い勝手が良いのは言うまでもなく、合格トレーニング同様に、TACの通信講座で利用されている信頼性の高い教材です。
さらに合格トレーニングと連動して作成されているため、テキストと問題集を揃えると、インプット時にセッションごとにアウトプットのトレーニングができるため相乗効果が期待できます。
FP1級問題集の気になる点
ここからは、おすすめしなかった問題集の理由や、受験者が気になることについて解説していきます。
TAC直前予想問題集を外した理由
FP1級の問題集で一番大事なことは、アウトプットを通じて力を身に着けること。
TAC直前問題集は、力を身に着ける問題集でなく、本番試験に慣れることや、アウトプットを終えた後の取りこぼしの確認の意味合いが強いです。
したがって、問題集2冊を徹底攻略して、時間に余裕があるのであれば取り組んでも良いですが、FP1級試験はそもそも予想が難しい試験なので、無理して取り組む必要はないです。
みんなが欲しかったFPの問題集を外した理由
- 問題数が少ない(学科基礎で各分野30問)
- 実技対策も収載しているが、実技対策の教材はきんざい1冊で十分なため正直不要
- 解説欄の図解がテキストの図解の使い回し
問題数が少ないことが、おすすめ問題集から外した一番の要因。
また、テキストの図解をそのまま使い回ししている部分もあるため、テキストでFPの教科書を利用していると損した気分になります。
ただし、テキスト同様に解説も図解を用いて丁寧に行われているため、テキストでのインプットは最小限に抑えて、過去問題でインプットとアウトプットを兼ねていく勉強法であれば、有意義な問題集です。
スッキリ解ける過去・予想問題集を外した理由
問題数が少なすぎます。(学科基礎で各分野25問)
FP1級試験では試験問題を予想するのが難しい試験であるため、多くの問題に触れて、あらゆる型に対応できる勉強法を行うべきです。
FP1級問題集で重視すべきは質より量です。
ただし、解説は分かりやすかったので、購入はしなかったものの、学科応用問題については毎日本屋で立ち読みしていた教材です。
きんざい問題集や合格トレーニングで苦を感じるようであれば、2つの問題集とテキストの緩和材として、スッキリ問題集を使うのは1つの戦略だよ。
なぜFP1級問題集は少ないのか
- 試験問題を予想するのが極めて困難である。
- きんざいやTACという競合が強すぎて入り込む余地がない。
結果、出版しても採算が取れないことから、FP問題集は少ないと考えられます。
以前は、すばる舎や成美堂からもFP教材が出版されていたよ。
実技問題集も併せて買うべきか
学科段階では不要です。
実技対策の勉強もすれば、不動産・事業継承の知識補強に繋がりますが、学科と実技では問われる内容は大きく異なるため、コスパは悪いです。
学科受験時には学科対策だけの勉強に集中しましょう。
ただし、実技試験では絶対に購入すべき教材です。(これ以外は不要と断言できます)
合格の有無だけでなく、FP1級レベルの知識を身に着けることに意義を感じるならば買う選択は有りです。
FP1級おすすめ問題集まとめ
この記事では、FP1級のおすすめ問題集2冊と、2冊使うべき理由、その他問題集の総評についてお伝えしました。
本当に重要な問題が知るため
多くの問題と関わる中で、多くの型を学ぶため
出版社リスクを分散させるため
対策問題集
きんざいの後任となる問題集。信頼性も高いよ。
合格トレーニング
量が充実しており、苦手項目の補強にも活用しやすい問題集だよ。
この記事を最後まで読まれたあなたは、FP1級受験に関心を持っただけでなく、具体的に一歩を踏み出しています。
そんなあなたの要望に応えるため、この記事では、主観的な意見や思いを、愚直に書かせていただきました。
ここで紹介した問題集は、FP1級を必死に勉強した合格者目線で見て、独学でも力を伸ばせる教材だと自負しております。
当サイトでは、多忙だけど頑張るあなたを、情報発信という形で応援します。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。