この記事ではおすすめできるFP1級問題集として、以下2つの問題集の特徴をお伝えします。


この記事でわかること
問題集を2冊取り組むべき3つの理由
おすすめ問題集2冊の特徴(利点・欠点)
他の問題集をおすすめしない理由
おすすめ問題集である”きんざい精選問題集”を用いて、独学10週間でFP1級に合格しています。
実際に大型本屋に出向き、全ての教材に目を通しています。
問題集と試験問題との関連性を確認するために、過去問にもしっかり目を通しています。
こんな人におすすめ
FP1級問題集選びで迷っている
FP1級を独学で挑もうとしている
おすすめされていない問題集の評価も気になる
ここで紹介する問題集2冊をフル活用すれば、合格率10%のFP1級でも、合格点を突破できる実力が身に着きます。
なぜFP1級では問題集2冊取り組むことが大事なのか
FP1級の勉強法の手順はざっくり以下の通りとなります。
この流れから分かるように、アウトプットとして問題集をひたすら解くことが重要になってきます。
そして、アウトプットを疎かにすると、自分の特性を把握できず、対策を練られないまま試験に突入して不合格となります。
アウトプットを失敗しないためには、2冊の問題集をひたすら解くのが一番シンプルな方法です。
2冊の問題集を取組む理由は以下3つ。
- 本当に重要な問題を把握する
- 多くの問題に触れ、型を知る
- 1つの出版社に偏るリスクを軽減する
順に説明します。
理由①:本当に重要な問題を把握する
FP1級問題集において独自(予想)問題集は、TACの直前問題集ぐらい。
他の問題集は、過去問の使い回し(改題含む)が主体です。


発想を逆転しましょう!
異なる2つの出版社が、同じ過去問題を抽出した!
これは何を意味するか。
答えは1つ。
極めて重要な問題であるってことです!!
この重要な問題は、試験本番でも関連問題が出題される可能性が高いので、優先的に取り組むべき問題だと分かります。
理想は全ての問題を完璧に理解し、なおかつ関連問題にも全て対応できるようにすることです。
しかし、現実的には全ての関連問題に対応するレベルまで上げるのは大変なので、まずは重要問題から理解を深めていきましょう。
理由②:多くの問題に触れ、型を知る
FP1級は試験範囲がとにかく広いです。
それにも関わらず、学科基礎では出題数はたった50問です。
しかし、50問の中にも難易度の落差はあります。
大事なことは、難易度が低い問題は確実に得点することです。
ただ、難易度が低い問題とはいえ、一度は類似問題を解いて型を知っていないと、自信をもった解答ができません。
逆を言えば、試験本番で類似問題と気づけば、得点できるわけです。
そして本題となりますが、類似問題と気づく確率を上げるためには、実際に多くの問題と触れ、型を知ることが一番の対策となります。
ただし1つ注意しておくことがあります。
FP1級の過去問題の出題率は、FP2級と比較して、格段に低いことです。
それだと、過去問主体の問題集を、2冊も取り組む意味がないのでは…
ここでも発想の転換です。(2回目ww)
そもそも過去問の出題率が高ければ、FP2級より受験者の質が高いFP1級試験で、合格率10%という数字にはなりません。
確かに過去問の出題率は低いですが、合格する10%の連中は、確実に過去問の類似問題を得点してきます。
例え過去問のうち出題率が10%でも、その10%を確実に得点する意気込みが大事です。
そのためにも、多くの問題と触れて、試験本番では見覚えのある問題は、確実に解けるようにする必要があります。
理由③:1つの出版社に偏るリスクを軽減する
FP1級はとにかく範囲が広いです。
そのため、各出版社は全ての問題は記載できず、厳選した問題だけを記載しています。
ただ、この厳選した問題の信ぴょう性については、きんざい出版も含め、鵜呑みにするの危険です。
きんざいとはいえ、AとBの2つの重要事項で、Aの事項を問題集に記載するも、試験本番ではBの事項が出題されることはあります。
対策としては、出版社を1つに絞らないことです。
例えば、きんざいとTACの2つの問題集を取組めば、2つの異なる出版社の視点を取り入れることができます。
結果、難易度「易」問題の得点取りこぼしのリスク分散に繋がります。

問題集2冊を取り組む利点
本当に重要な問題が分かる
多くの問題と関わる中で、多くの型を学べる
出版社リスクを分散させれる
問題集を2冊取り組むべき理由は分かってもらえたはずなので、ここからはおすすめ問題集の特徴を、惜しみなく解説していきます!
FP1級おすすめ問題集①:きんざい精選問題集
一押しは試験主催者である”きんざい”が監修している教材であること。
独自問題でなく過去問中心ですが、きんざいが監修していることから、避けては通れぬ問題集です。
きんざい精選問題集の強み①:きんざいが監修している
FP1級の問題集は、TACの直前予想問題集を除けば、すべて過去問題の抽出です。
ここでポイントになるのが、FP精選問題集は試験主催者である”きんざい”が監修していること。
すなわち、精選問題集の過去問題は、試験主催者である”きんざい”が、数ある問題の中から、
「この過去問題は、FP1級レベルなら解けるようになってほしい」
そう願う問題が抽出されているわけです。
見方を変えるなら、精選問題集に出題されている問題こそが、きんざいがFP1級受験者に求めている内容である。
試験というのは、出題者が求めている内容を、どれだけ理解できるいるかの確認でもあります。
出題者の求めていない内容をどれだけ勉強しても、得点アップには繋がりません。
幸いにもFP1級では、出題者が求めている内容を、主催者自身が”教材”という形で発信してるので、利用しない手はありません。
きんざい精選問題集の強み②:量も質も充実している
精選問題集においては、以下3つの内容が盛り込まれています。
- 学科基礎:各分野39~47問
- 学科応用:各分野5問
- 過去問3回分(解説あり)
他の問題集では、学科基礎において各分野30問以内であることから、量が非常に充実していることが分かります。
更に加えるならば、ここで出題されている問題は、試験主催者である”きんざい”が抽出した良質な問題でもあります。
問題集2冊を取組むべき理由で前述した通り、FP1級を合格するうえでは、多くの問題と触れ、類似問題は確実に得点していく必要があります。
そのため、FP1級問題集では、ヤマをはった厳選25問より、少し幅を広げた50問の方が価値があります。

過去問を含めれば、学科基礎でも各分野50問以上と触れることになるので、インプットの取りこぼしもしっかり確認できるよ。
きんざい精選問題集の弱み:解説がやや不十分
精選問題集でよく見かける光景が「不適切なものを答えよ」という学科基礎問題の解答・解説欄で下記のように、
- 適切な設問に対する解説はなし。
- 不適切な設問に対しては、どこが不適切か簡易説明が行われていること。
- 適切。
- 不適切。○○の場合は△△である
- 適切。
- 適切。
もちろん全てがこのパターンでなく、適切な項目であっても追加情報が記載されていたり、次ページで表付きで解説があるものもあります。
ただし、この点は自身で解説を書き加えれば解決する話でもあります。
僕自身もきんざい問題集を使っていましたが、問題欄に自身で作成した類似問題を書き加えて、解説・解答欄には本問や類似問題に対する解説を書いていました。
- 最初から完成された高い問題集を使うか
- 自身で問題集を完成させていくか
自身の勉強法によって評価は分かれます。
きんざい精選問題集の対となるテキスト
僕が紹介するFP1級おすすめ3選にも入っている優良なテキストです。
≫あわせて読みたい:FP1級合格者が語るおすすめテキスト3選【1位は○○】
ページ数は550ページとやや少ないものの、試験に必要な内容はぎっしり詰め込まれています。
ただし、精選問題集との連動率は低いので、テキストと問題集が異なる出版社(種類)であっても差し支えありません。
FP1級おすすめ問題集②:TAC合格トレーニング
名前にトレーニングとついている通り、セッションごとのトレーニングが非常に行いやすい問題集です。
また、資格の大手専門学校であるTACが、実際の通信講座で利用している教材でもあります。
合格トレーニングの強み①:量が非常に充実している。
きんざい精選問題集は、学科基礎、学科応用、過去問(直近3回)の3部構成に対し、合格トレーニングには過去問はなく、2部構成となります。
ただし、学科基礎問題数は各分野50問以上と、FP1級問題集の中では最も量が充実しています。
また、勉強がやりにくい学科応用においても、分野ごとに量を維持しつつメリハリもあるので心強いです。
- 社会保険:6問
- 金融資産:5問
- タックスプランニング:5問
- 不動産:8問
- 相続・事業継承:5問
※2020年版の問題数です。

繰り返しとなりますが、FP1級では多くの問題と触れ合い、同じ型の問題は確実に得点することが大事になってきます。
そのため量は充実していることは、重視すべきポイントです。
合格トレーニングの強み②:セッションごとのトレーニングが行いやすい
FP1級を勉強していく中で頭を悩ますのが苦手な項目。
僕の場合だと、
- 年金関連
- 借地の税務
- 土地の有効活用(交換・買換)
- 贈与(特例含む)
- 事業継承
このあたりの項目に苦手意識がありました。
FP2級では、多少であれば苦手な部分は目を閉じても、得意分野で得点を稼げば合格点に達します。
しかし、FP1級では学科基礎において、FP2級より10問少ない50問しか出題されません。
また、運よく得意分野が出題されても、奇問・難問の可能性もあります。
そして、苦手な項目では基礎問題(得点すべき問題)が、出題される可能性もあります。
したがって、FP1級では苦手分野であっても、逃げるわけにはいきません。
では具体的にどう苦手分野を克服するか。
その答えが、苦手項目の問題を反復して取り組むことです。
合格トレーニングでは量が充実しているだけでなく、セッションごとに問題が整理されています。
例えば不動産分野を見てみると、下記11のセッションに分離されており、総問題数は60問以上です。
- 不動産の見方
- 不動産の取引①宅地建物取引業・売買契約上の留意点
- 不動産の取引②借地借家法
- 不動産に関する法令上の制限①都市計画法
- 不動産に関する法令上の制限②建築基準法
- 不動産に関する法令上の制限③農地法/生産緑地法
- 区分所有法
- 不動産の取得・保有に関する税金
- 不動産の譲渡に係る税金
- 借地権の税務
- 不動産の投資判断
そのため、合格トレーニングでは、
- 全ての問題を3周取り組む
- 苦手項目の問題だけは5周取り組む
このようなメリハリのある勉強法も実践しやすいです。

合格トレーニングの弱み:1色刷りで地味
FP2級の教材ではフルカラーも徐々に浸透しているなか、合格トレーニングは1色刷りです。
そのため、滝澤ななみさんのような豊富なカラー教材を使っている方がパッと見ると、地味な感じは否めません。
カラーの方が頭に入りやすいという研究データもありますが、合格トレーニングはテキストでなく問題集です。
問題集の役割の1つが、インプットが正しく行えているかの確認であることから、確認作業に色の使い分けは、気にする必要はないです。
また、解説でインプットを行う際は、個別に蛍光ペンなどで色を付ければ済む話です。
むしろ、自分にとって苦手・曖昧部分に色を付けることによって、どの部分に重点を置く必要があるか一目瞭然になる利点もあります。

よくよく考えたら、本番の試験問題も1色刷りだよね。
合格トレーニングの対となるテキスト
僕が紹介するFP1級おすすめ3選に入っている優良なテキストで、実際に使用していた教材でもあります。
≫あわせて読みたい:FP1級合格者が語るおすすめテキスト3選【1位は○○】
分野ごとにテキストが分れているため、計6冊(計900ページ)となります。
テキスト自体の使い勝手が良いのは言うまでもなく、合格トレーニング同様に、TACの通信講座で利用されている信頼性の高い教材です。
さらに合格トレーニングと連動して作成されているため、テキストと問題集を揃えると、インプット時にセッションごとにアウトプットのトレーニングができるため相乗効果が期待できます。
FP1級問題集の気になる点
ここからは、おすすめしなかった問題集の理由や、受験者が気になることについて解説していきます。
TAC直前予想問題集を外した理由
FP1級の問題集で一番大事なことは、アウトプットを通じて力を身に着けること。
対してTAC直前問題集は、力を身に着ける問題集でなく、本番試験に慣れることや、アウトプットを終えた後の取りこぼしの確認の意味合いが強いです。
したがって、問題集2冊を徹底攻略して、時間に余裕があるのであれば取り組んでも良い。
ただし、FP1級試験はそもそも予想が難しい試験なので、無理して取り組む必要はない。
滝澤ななみさんFPの問題集を外した理由
- 問題数が少ない(学科基礎で各分野30問)
- 実技対策も収載しているが、実技対策の教材はきんざい1冊で十分なため正直不要
- 解説欄の図解がテキストの図解の使い回し
問題数が少なかったのが、おすすめ問題集から外した一番の要因。
またテキストの図解を、そのまま使い回ししている部分もあるため、テキストでFPの教科書を利用していると損した気分になる。
ただし、テキスト同様に、解説も図解を用いて丁寧に行われている。
したがって、テキストでのインプットは最小限に抑えて、過去問題でインプットとアウトプットを兼ねていく勉強法であれば、有意義な問題集となる。
スッキリ解ける過去・予想問題集を外した理由
問題数が少なすぎる!(学科基礎で各分野25問)
FP1級試験では、とにかく試験問題を予想するのが難しい試験であるため、多くの問題に触れて、あらゆる型に対応できる勉強法を行うべき。
FP1級問題集で重視すべきは質<量!!
ただし、解説が見やすく、分かりやすかったので、購入はしなかったものの、学科応用問題については、毎日本屋で立ち読みしていた教材でもあります。
なぜFP1級問題集は少ないのか
- 試験問題を予想するのが極めて困難である。
- きんざいやTACという競合が強すぎて入り込む余地がない。
結果、出版しても採算が取れないことから、FP問題集は少ないと考えられます。
実技問題集も併せて買うべきか
学科段階では不要。
実技対策の勉強もすれば、不動産・事業継承の知識補強に繋がるが、学科と実技では問われる内容は大きく異なるため、コスパは悪い。
したがって、学科受験時には学科対策だけの勉強をすれば良し。
ただし、実技試験では絶対に購入すべき教材です。(これ以外は不要と断言できる)
また、合格の有無だけでなく、FP1級レベルの知識を身に着けることに意義を感じるならば買う選択は有り。
FP1級おすすめ問題集まとめ
この記事では、FP1級のおすすめ問題集2冊と、2冊使うべき理由、その他問題集の総評についてお伝えしました。
精選問題集(きんざい)
きんざいが監修(非常に大事)
質も量も充実
解説はやや不十分
合格トレーニング(TAC)
量が非常に充実
セッションごとの勉強が行いやすい
1色刷りのため地味
問題集2冊取り組むべき理由
本当に重要な問題が知るため
多くの問題と関わる中で、多くの型を学ぶため
出版社リスクを分散させるため
この記事を最後まで読まれたあなたは、FP1級受験に関心を持っただけでなく、具体的に一歩を踏み出しています。
そんなあなたの要望に応えるため、この記事では、主観的な意見や思いを、愚直に書かせていただきました。
ここで紹介した問題集は、FP1級を必死に勉強した合格者目線で見て、独学でも力を伸ばせる教材だと自負しております。
当サイトでは、多忙だけど頑張るあなたを、情報発信という形で応援します。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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