銀行業務検定の種類を調べたら36種目って多すぎー!
この中で一発合格できるオススメ種目ってどれよ。
結論を言ってしまえば、法務4級・財務4級・税務4級・年金4級の4つ。
断言できる!!

結論言っちゃったーーー
もう、この記事終了しちゃう!

この記事を書いている僕も、1年目から銀行業務検定を受験していた現役銀行員なので苦労は分かります。
そして、これまでに二桁の銀行業務検定を受験し、分析した結果、自信をもっておすすめできる種目を発見しました。
実際に僕の周りの多くの若手が、僕の紹介した”おすすめ”で一発合格を果たしています。
この記事で分かること
なぜ上記4つが”おすすめ”なのか
”おすすめ種目”の合格率高め以外の利点
どの”おすすめ種目”から受験したらよいか
この記事を読み終えれば、自分で納得のいく”おすすめ種目”を選ぶことができるようになります。
銀行業務検定を一発合格しやすい種目の3つのポイント
- 法務4級
- 財務4級
- 税務4級
- 年金4級
上記4つが、おすすめ種目なのですが、どのような根拠があって、この4つを”おすすめ”と判断したかが大事です。
おすすめの判断基準となるポイントは以下3つ。
- 合格率が安定して高いこと
- 受験者の平均勤続年数が低いこと
- 上位互換があること

着眼点①:合格率が安定して高いこと
試験名 | 形式 | 開催月 | 平均勤続年数 | 合格率(平均) |
法務2級 | 三答択一付記述式 10題 | 6・10 | 11.2 | 26.15 |
法務3級 | 五答択一50問 | 6・10 | 4.9 | 29.70 |
法務4級 | 三答択一50問 | 10 | 2.4 | 60.15 |
融資管理3級 | 五答択一50問 | 3 | 11.2 | 31.40 |
財務2級 | 記述式 10題 | 6・10 | 9.1 | 27.45 |
財務3級 | 五答択一50問 | 6・3 | 5.7 | 36.34 |
財務4級 | 三答択一50問 | 6 | 3.2 | 57.46 |
税務2級 | 三答択一付記述式 10題 | 3 | 9.4 | 22.35 |
税務3級 | 五答択一50問 | 10・3 | 5.6 | 28.80 |
税務4級 | 三答択一50問 | 3 | 2.9 | 49.35 |
年金アドバイサー2級 | 記述式 10題 | 3 | 17.9 | 21.06 |
年金アドバイサー3級 | 五答択一50問 | 10・3 | 12.3 | 35.54 |
年金アドバイサー4級 | 三答択一50問 | 3 | 6.4 | 60.17 |
証券3級 | 五答択一50問 | 10 | 8.9 | 57.97 |
信託実務3級 | 五答択一50問 | 6 | 9.5 | 40.86 |
金融リスクマネジメント2級 | 四答択一35問、記述式3題 | 6 | 17.7 | 27.73 |
営業店マネジメントⅠ | 記述式 10題 | 6・10 | 18.5 | 32.27 |
営業店マネジメントⅡ | 四答択一40問、記述式6題 | 6・10 | 14.6 | 59.31 |
経営支援アドバイザー2級 | 四答択一25問、記述式5題 | 3 | 13.8 | 30.47 |
窓口セールス3級 | 五答択一50問 | 6 | 7.6 | 53.54 |
法人融資渉外2級 | 記述式 10題 | 6 | 11.9 | 21.80 |
法人融資渉外3級 | 五答択一50問 | 6 | 9.2 | 28.19 |
事業性評価3級 | 四答択一50問 | 6 | 12.9 | 21.09 |
個人融資渉外3級 | 五答択一35問、記述式3題 | 6 | 9.4 | 35.79 |
デリバティブ3級 | 五答択一50問 | 6 | 9.5 | 31.92 |
事業承継アドバイザー3級 | 四答択一35問、記述式3題 | 10 | 13.7 | 50.90 |
外国為替2級 | 記述式 10題 | 3 | 8.6 | 29.08 |
外国為替3級 | 五答択一50問 | 10・3 | 6.6 | 39.81 |
金融経済3級 | 五答択一50問 | 6 | 9.6 | 42.78 |
投資信託2級 | 記述式 10題 | 3 | 13.2 | 30.55 |
投資信託3級 | 四答択一50問 | 3 | 9.3 | 42.41 |
金融商品取引3級 | 四答択一50問 | 6 | 9.7 | 30.92 |
預かり資産アドバイザー2級 | 四答択一25問、記述式5問 | 10 | 11.5 | 30.66 |
預かり資産アドバイザー3級 | 四答択一50問 | 10 | 13.2 | 92.52 |
保険販売3級 | 四答択一50問 | 10 | 9.7 | 39.96 |
相続アドバイザー2級 | 四答択一25問、記述式5問 | 3 | 18.4 | 25.44 |
相続アドバイザー3級 | 四答択一50問 | 10・3 | 14.4 | 40.72 |
平成31年3月、令和元年6月・10月のデータ。
年2回の試験においては、勤続年齢はと合格率は2回の平均値。(切り捨て)
試験難易度を計るときに、一番となる指標はやはり合格率です。
おすすめ種目4つは、税務4級を除けば、直近合格率は50%を上回っています。
そして最も大事なことは、直近4回の平均合格率は、60%を上回っていることです!
開催時期 | 合格率 |
1年10月 | 60.15 |
30年10月 | 63.72 |
29年10月 | 72.66 |
28年10月 | 73.82 |
開催時期 | 合格率 |
1年6月 | 57.46 |
30年6月 | 68.84 |
29年6月 | 68.83 |
28年6月 | 67.38 |
開催時期 | 合格率 |
31年3月 | 49.95 |
30年3月 | 60.30 |
29年3月 | 72.33 |
28年3月 | 65.81 |
開催時期 | 合格率 |
31年3月 | 60.17 |
30年3月 | 60.07 |
29年3月 | 62.53 |
28年3月 | 59.09 |

受験する種目の過去の合格率は必ず意識すること!
銀行業務検定の中には、合格率の落差が激しい種目もあるので注意しようね。
着眼点②:受験者の勤続年数が低いこと
合格率がたとえ一緒でも、受験者の平均勤続年数によって難易度は異なります。
例えば事業承継アドバイザーの合格率は50%超ですが、平均勤続年数は13年(35歳)と高めです。
銀行に10年以上勤務していれば、様々な試験や実務経験を積みます。
そんなわけで平均勤続年数が10年以上の試験は、そもそも若手とは勉強のスタート地点が違うので、合格率が高くても避けるべきです。
では、おすすめ種目の4つの勤続平均年数はどうだろうか。
法務4級 | 2.4年 |
財務4級 | 3.2年 |
税務4級 | 2.9年 |
年金アドバイサー4級 | 6.4年 |
年金アドバイザー4級を除けば、受験者の平均勤続年数は5年を下回っています。
5年を下回っている種目は、他には法務3級しかありません!
ちなみに法務・財務・税務の各3級の平均勤続年数が低めな理由は以下の通り。
- 4級から連続して受験
- いきなり3級を受験

その通り!
合格率が一緒でも、受験者の質によって難易度は大きく変わるから注意しよう。
なお、平均勤続年数も上記HPから調べられるので、気になった種目は合格率と併せて調べておきましょう!
着眼点③:上位互換があること

銀行業務検定は種目によって格差があります。
この格差の1つとして挙げられるのが互換性です。
例えば、上記の窓口セールス3級の場合、
- 下位互換の4級もない
- 上位互換の2級もない
完全独立の種目となります。
また相続アドバイザーや法人融資渉外のように、
- 3級(下位)
- 2級(上位)
2構成になっている種目もあります。
そして、本題なのが冒頭でお伝えした、おすすめ4種目。
なんと4級(下位)3級(中位)2級(上位)の3構成になっています!!
実は、3構成になっているのは、おすすめ種目である、
- 法務
- 財務
- 税務
- 年金アドバイザー
この4つだけです!
互換性がある種目であれば、下位で勉強した内容が、そのまま上位の種目に活かせます!
一般に3級クラスだと60~80時間の勉強が推奨とされていますが、4級を全力で勉強すれば、3級の勉強時間は少なく済みます。
銀行員は勤続年数と共に忙しくなります!
せっかく勉強するのであれば、
目先の試験だけでなく、その後も視野に入れていきましょう!

他にも、おすすめ種目は銀行業務検定以外の試験にも役立ちます。
FP試験は銀行員である以上、銀行業務検定と同様に、必ず受験を推奨(強制)されます!
そのためFP3級の前段階として、税務4級や年金アドバイザー4級を受験するのは効率的です。
財務も財務諸表の分野では、簿記と重複するところがあるので、簿記3級の前に財務4級を勉強しておくと、やや効率的です。
(”やや”にしたのは、分析項目は簿記検定から外れるから)
法務と宅建は民法で重複するとは言え、重なる部分はかなり少ないので除外。
下位互換では、もう1つ伝えいことがあります。
実のところ、最下位互換に当たる4級は、銀行業務検定の入口となる種目なので、難易度は低めに設定されています。

4級で難易度高くしてしまったら、受験料高めの2級や3級の挑戦者が減ってしまうから!
銀行業務検定のお得意様は、4級でなく受験料高めの3級・2級。
4級はお試し商品のような感じだね。

銀行業務検定おすすめ種目の個別解説
ここからは、おすすめ種目について、それぞれ個別で解説していきます。
本当に自分に”おすすめ”なのか見極めてください。
銀行業務検定おすすめ種目①:法務4級
出題形式 | 三答択一式 50問(各2点) |
---|---|
科目構成 | (1)預金15問 (2)手形・小切手15問(手形交換・電子記録債権を含む) (3)融資10問(管理・回収を含む) (4)内国為替10問 |
合格基準 | 満点の60%以上(試験委員会にて最終決定) |
試験時間 | 90分 |
合格率 | 60~73% |
勤続年数 | 2.4年 |
おそらく最初の時点だと、預金以外の項目は言葉の意味から勉強となるため、苦労します。
また昔と違い、今は全ての科目を解く必要があります。
(昔は融資や為替が選択制であった。)
ただし、知っておくと実務で役立つことも多いので、
どれを受験するか迷った方は、法務をおすすめします。

銀行業務検定おすすめ種目②:財務4級
出題形式 | 三答択一式 50問(各2点) [財務諸表] 40問 [財務分析] 10問 |
---|---|
科目構成 | (1)財務諸表 40問 (2)財務分析 10問 (1)簿記の基礎・取引を中心に、原則として会社法・会社法施行規則および会社計算規則にもとづいて出題。 (2)基本的な安全性分析・収益性分析等から出題。 |
合格基準 | 満点の60%以上(試験委員会にて最終決定) |
試験時間 | 90分 |
合格率 | 57~68% |
勤続年数 | 3.2年 |
簿記の知識の有無で難易度が大きく変わる!
簿記の知識があるなら、間違いなく有利な試験。
また融資係や営業係に配属されたら、簿記の資格の有無を問わず、是非受験しておきたい。
財務の本質をしっかり身に着けると、融資稟議作成の際、説得力のある文章が作成できるようになります。

銀行業務検定おすすめ種目③:税務4級
出題形式 | 三答択一式 50問(各2点) |
---|---|
科目構成 | (1)税の常識 7問 (2)所得税 20問 (金融商品と税金・不動産所得・譲渡所得等) (3)相続税・贈与税 13問 (4)法人税 5問 (5)その他の税金 5問 (地方税・登録免許税・印紙税・消費税等) |
合格基準 | 満点の60%以上(試験委員会にて最終決定) |
試験時間 | 90分 |
合格率 | 49~72% |
勤続年数 | 2.9年 |
FPのタックスプラニングが得意であれば、難易度はぐーんと下がる。
窓口や営業係ならば、
- NISAや idecoなど所得税の節税を狙った商品
- 生命保険など相続税の節税を狙った商品
このような税務知識を前提した商品を取扱うため、現場では税務知識は必須。
FP試験の前哨戦として受験しておくのもおすすめです!
所得税・相続税・贈与税はかなり重複しますよ。

銀行業務検定おすすめ種目④:年金アドバイザー4級
出題形式 | 三答択一式 50問(各2点) |
---|---|
科目構成 | (1)年金の基礎 30問 (2)老齢給付 10問 (3)障害・遺族給付 6問 (4)セールス・その他 4問 |
合格基準 | 満点の60%以上(試験委員会にて最終決定) |
試験時間 | 90分 |
合格率 | 59~61% |
勤続年数 | 6.4年 |
おすすめ4種目の中で、受験者の勤続年数は一番高いが、合格率が一番安定している利点もある。
FPで社会保険分野が得意であれば、かなり有利。
そのためFP取得者であれば、税務と共に受験の視野に入れて良い。
ただし税務と年金は、開催月が一緒なので注意!
銀行業務検定おすすめ種目の絞り方

絞り方①:保有資格と関わりが強い
大学や新人の頃に下記の資格を取得された方は、他の方より有利に立ち回れます。
宅建保有者であれば、民法分野で法律に基づいた体系的な考え方が身についているはずなので、法務を推奨。
簿記保有者であれば、間違いなく財務が有利。
財務は財務諸表と財務分析の2つに別れるが、財務諸表は重複する部分が多い。
FP保有者であれば年金と税務が、間違いなく有利。
特に税務は重複する部分が多い。
宅建・簿記・FPの資格保有者であれば、4級は少しの勉強で合格できます。

法務4級がおすすめな理由は以下の通り。
- 預金・融資共に関係してくる
- 上位互換の法務3級は一番人気
絞り方②:今と半年先の業務に近い種目
窓口業務で預金や年金口座の獲得が主体であれば、法務や年金アドバイザー。
同じ窓口でもNISAや idecoなど節税商品の取扱いが主体であれば、所得税を勉強できる税務。
法人融資に携わるなら、決算書の見方は必須知識になるので、財務は必須。
逆を言えば、預金に財務、融資に年金アドバイザーなどは、ミスマッチなので後回しで良い。
そして大事なことは、
今はもちろん、半年先にどのような係になっているか考えて受験すること!
例えば今は預金係でも、将来的に融資業務に携わるなら、財務を先行して受験しておくと、経験不足を知識で補えます。
絞り方③:民間・国家資格と関わりが深い種目
残念ながら銀行業務検定は銀行業界以外では活用できません。
更に言えば、銀行業務検定でさえ、実務面より昇給・昇格の方に利用されている節もあります。
そんなわけで、今後は民間・国家資格を目指す選択も良いです。
意外と多いのが、
4級を勉強していく中で自分の得意分野が見つかり、そこから上位試験に目覚めるパターン!
- 税務・年金アドバイザーからFP
- 年金アドバイザーから社労士
- 財務から簿記
銀行業務検定と並んで推奨されるFP試験を受験する場合であれば、下記の順番がおすすめです。
FP1級までのステップ
ステップ1税務4級
ステップ2FP3級
ステップ3税務3級
ステップ4年金アドバイザー3級
ステップ5FP2級
ステップ6税務2級
ステップ7FP1級
銀行業務検定おすすめ種目のまとめ
この記事では、一発合格を狙える4つの種目と、その根拠についてお伝えしました。
銀行業務検定のおすすめ4種目の着眼点や、絞り方のポイントをまとめたのがこちら。
ポイント
法務・財務・税務・年金アドバイザーの各4級がおすすめ
直近合格率以外の指標(合格安定率・勤続年数・互換性)も意識する
今ある保有資格や、今後の実務や資格に関連する種目を優先する
銀行業務検定の初動で大事なことは、合格という実績と自信をつけることです。
また、ここでいう”おすすめ種目”の一発合格は、スタート地点になります。
そのため、人におすすめされた試験を漠然と受験するのでなく、自分で納得のいく試験を選択することに意義があります!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。